お知らせ

Mさん(Imperial College London, Mechanical Engineering / Kingswood School出身)

季節もうつろい、最低気温が氷点下に冷え込む日も多くなってきた。入学してから3か月間、様々な環境の変化に戸惑うことも多くあったが、ようやく一息つける時間が訪れた。今回のレポートでは、その環境の変化に焦点を当て、自らの経験を通して振り返っていこうと思う。

学習面の一番の大きな変化はやはり授業のスタイルだろう。以前通っていたボーディングスクールでは主に座学がメインであり、実技や実践的な演習を行う時間は限られていた。しかし、大学ではEngineeringという科目の特性も相まって、ほぼ毎週何かしらの実験や演習をすることになっている。その中でも特に印象に残っているのが、STW (Student Teaching Workshops)と呼ばれるものである。STWは、旋盤やフライス盤、ボール盤といった機械の使い方を学び、実際に写真のような形を切り出す練習を行う。
これまでの18年間で得た知識を単なる学習として終えるのではなく、大学では、その知識を具体的な物品の加工という手段でリアルに応用していくというアプローチに感動を覚えている。以前のレポートでも述べた通り、自分がこの大学を選んだ理由の一つに、コースの有用性というものがある。理論をただの机上の空論で終わらせず、どう現実に応用するか。Engineeringのゴールは、理論を技術に落とし込むことにある。入学早々STWや多種多様の実験が始まり、そのゴールに着々と近づいている実感がわいている。
STW以外にも、Pythonのコーディングの授業やCAD (Computer Aided Design)での設計図制作の授業など、様々なツールの使い方についても学習している。この先のタームでは、これらを応用してより発展的なデザインについて学習するため、とても楽しみだ。

生活面では自分の裁量で予定を管理することが増え、パブリックスクールよりも自由になったが、それに伴い責任が付いてくるようになった。パブリックスクールでは一日のタイムスケジュールが決められており、自習時間なども消灯時刻もそのなかに盛り込まれていたが、大学ではそのようなことは全くない。つまり学習進度や睡眠時間の確保は自分自身で管理しなければならない。自分がかつて在籍していた筑波大学付属高等学校の教育目標は「自主・自律・自由」だった。主体性を持ち、自分を律することができなければ真の「自由」をつかむことはできないという意味である。この言葉の通り、大学では自由になる反面、より自律した行動を求められることになる。幸いなことに今の段階では特に問題点は見当たらないが、これからさらに忙しくなっていくため、タイムマネジメントに気を使って生活しなければ体調面や精神面で負担がかかってしまうだろう。その点に気を付けながら、生活していきたい。

最後に自分がこの場所に来るまで支えてくださった財団の方々へ御礼を申し上げつつ、残りのタームも精進していきたいと思う。
photo〈STWの様子〉