お知らせ

Kさん(University College London, Philosophy / Fettes college出身)
大学に入って四ヶ月が経過した。学業面でも生活面でもいろいろなことが起こったのでもう一年くらいたったような心持ちでいるが、とりあえずTerm 1が終わったということで去年の九月の終わりからこれまでを振り返ろうと思う。

学業

Term 1ではLogic, Philosophical Study Skills, Political Philosophy, Ancient Philosophyの四つのモジュールを履修した。特に面白かったのはPolitical Philosophyで、リーディングの量も多くところどころ苦戦したが、最終的に以前から興味のあった資本主義(の特に「搾取 exploitation」の概念)についてエッセイを書けたことは実のある経験だったと思う。哲学はcontact hoursが少なく特別自主性の求められる科目なので、自由に使える時間をどう有効活用するかを自分で考えて行動しなくてはいけない。まだ半分も終わってないTerm 2について少しだけいうと、Knowledge and Realityというモジュールでいわゆる形而上学と認識論の入門のようなことをやるのだが、これまでの授業で一番哲学らしさを感じられてとてもいい。懐疑論(Scepticism)が正しければ、もっとも常識的な命題、例えば「私は存在している」を真であると信じる合理的な理由はどこにもない。こういうラディカルな哲学的態度に接すると嬉しくなるので、哲学者にはもっと常識に反したことをどんどん主張していってもらいたいと真剣に思っているのだが、彼らの議論を理解するには相応の哲学の知識が必要なので、精進していきたいと思う。

生活

ロンドンは物価が高い。円安の影響も大いにあるだろうが、日本の中でも物価が特に高いとされる東京が買い物天国に感じられるほど、こちらでは何をするにしてもお金がかかる。そもそも、ポンドとドルがごっちゃになって£1をいまだに100円くらいで脳内計算してしまうのは僕だけだろうか。実際は160円くらいなのだが。もうイギリスに来て三年目(!)なのでいいかげん慣れたいと思う。ただ、いろいろ工夫する余地はあって、たとえば自炊をすると相当食費が浮くし、学生割引を最大限活用したり、本はできるだけ中古で買ったりするなど、これからロンドンに来る人はぜひ物価に絶望せずに頑張ってほしい。役に立つかわからないロンドンの古本屋情報としては、BloomsburyにあるJudd books とSkoobをすすめたい。どちらもUCLのすぐ近くにあるので機会があれば行ってみてはどうだろう。オンラインで買うならWorld of Books。イギリス国内だと送料が無料なので、エジンバラにいた時からよく利用していた。

UCLに数ヶ月通って思ったことをいくつか。僕自身まったく何個あるのか把握できていないが、とにかくソサエティがたくさんある。少しばかりニッチな趣味でも大体ニーズにあったソサエティがあるはずなので、いろいろ探してみるといいと思う。個人的なおすすめはFilm Societyで、ほぼ毎週映画の上映会をしているのが嬉しい。先週はウォン・カーウァイの天使の涙を上映していて、本当によかった。あと、学生がみんな勤勉なのか単純に人が多すぎるのかわからないが、平日は特にキャンパス内で勉強できるスペースは大体埋まっている。なので、できるだけ早くStudent Centreなどに赴くかキャンパスの外で勉強するかの二択なのだが、今のところ理想的な勉強場所を確保できていないので、誰か、こっそり教えてください。